【七五三ガイド】第6話:年齢は?数え年と満年齢のどっち?


七五三のお祝いは女の子の三歳、男の子の五歳、女の子の七歳になっています。大人の厄年は神社によって満年齢ではなく、数え年で行うところもありますよね。では七五三の場合、数え年と満年齢のどちらで行うべきなのか、引き続き川越八幡宮の権禰宜・岸野さまにお話を伺いました。

 

icon-instagram  現在は満年齢で行うのが一般的

厄払いなどの場合、神社によっては数え年で受け付けているところもありますよね。昔は数え年で行われていたようですが、現在は満年齢で行うことが多いですよね。実際はどちらが正しいのでしょうか。

岸野さま:「そうですね。どちらでも大丈夫ですが、だいたい満年齢が多いようですね。もちろん正式に数え年でという方もいらっしゃいます。ただ、例えば女の子だったら、一つの区切りとしてだいたい三才位を目安にて考えてよいとり方してもいいかなと思います。

では例えば、兄弟・姉妹で同時に三歳、五歳、七歳を迎える子供がいる場合などは、一緒にお祝いしても大丈夫なのでしょうか?そのほかにも女の子が三歳、男の子が四歳の場合など、数え年と満年齢の両方でまとめてお祝いしてもいいのかについても気になります。

岸野さま:「もちろん構わないですよ。やはり区切り区切りに神様の前に出て、無事に育たせていただいたことに感謝するということがより重要なのではないかなと思いますね」

私たちの親世代のように、兄弟が多かった時代は七五三をそれぞれお祝いすることができない家庭がほとんどでした。七五三をお祝いできること自体を喜ぶ…そんな気持ちも忘れないようにしたいですね。

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  三歳、五歳、七歳にお祝いする理由って?

では、そもそも七五三を三歳、五歳、七歳という年齢にお祝いをするようになったのには、どんな理由があるのでしょうか。

岸野さま:「三、五、七という奇数ですね。これはおめでたい数だという考え方があります。これは中国の考え方が入ってきているんです。奇数というのは陽の数、太陽の陽ですね。偶数というのは陰の数。割り切れる陰の数。これは易(えき)という考え方で、奇数の方がおめでたいとしているんです」

易(えき)ですか?これも最近あまり聞かなくなりましたが、易占いという占いがありますよね。

岸野さま:「はい。占いをする方を易者さんと言いましたよね。中国の古代の占いの易というものがあって、奇数の方がよりおめでたい数、より積極的な明るい数と言われているんです。偶数の方は割り切れる数なので、これは陰の数であまりよくないとされています。

陽と陰が繰り返し循環していくというのが易の考え方ですね。三、五、七、それから九がおめでたい数になっています。それがお節句です。3月3日、5月5日、7月7日の七夕。9月の9日、今はあまりお祝いしませんが、9月9日は重陽の節句、菊の節句というものがあります。

奇数がさらに重なることが、よりおめでたい。そういう奇数をより尊ぶという伝統があるんです。結婚式でも三々九度、三回ですよね。三を重ねることで、さらにおめでたいことにする、という考え方に基づいています」

確かに1月7日七草の節句、3月3日の桃の節句、5月5日の菖蒲の節句、7月7日の笹の節句はすべて奇数が重なる日になっていますね。あまり聞きなれない9月9日はかつて、重陽(ちょうよう)の節句、菊の節句(不老長寿や家族の繁栄を願う行事)として祝われていたのだそうです。

こんな風に七五三をきっかけに古くから伝わる伝統行事について子供と一緒に、改めて家族で考えてみるのもいいかもしれませんね。

 

 

七五三は数え年、満年齢のどちらで行ってもOK。兄弟・姉妹で年齢が重なるときは、一緒にお祝いしてもいいと聞いて少しホッとしました。大切なのは、節目の年齢ごとに成長してこられたことを神様に感謝すること。難しく考える必要はなさそうです。七五三をお祝いできるということに感謝する気持ちも忘れないようにしたいですね。