【保存版】覚えておきたい・正しい神社の参拝方法


神社にお参りするとき、正しい参拝の方法が分からず周りのきょろきょろ見回してしまったことはありませんか?日本人であれば、七五三に限らず、節目節目に神社に参拝する機会があるはず。そこで、七五三のお話をうかがった川越八幡宮の権禰宜・岸野克己さまに正しい神社の参拝方法をお伺いしてきました。

なお、文中の難しい言葉については「いまさら聞けない?神社で使われる言葉いろいろ」のページにもまとめていますので、あわせてご一読くださいね。

 

(鳥居をくぐるときは軽く頭をさげて)

岸野さま:「まず鳥居をくぐるまえに軽く頭を下げます。鳥居をくぐって参道を歩くときには神様がお通りになる真ん中は避けて少し脇を歩くようにします」

 

(手を清めるときの手順)

その後、社殿の脇にある手水舎に向かいます。

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岸野さま:「これは禊というお祓いです。水でもってお祓いをするということですね。まず柄杓(ひしゃく)を右手に持ち、水をすくって左手からお清めですね。どちらの手からという決まりは特にありません。

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そしてもう一度右に持ち替えていただきまして、手に水をすくって、それは飲まずに出す。これは口を清めるだけなんで、出すんですね。そして、清めたのを出して、かけた手をもう一度清めて、最後に柄杓を立てていただいて、柄杓の柄の部分を清めます。これは次の方の為に柄杓を清めるということ。最後に「ありがとうございました」という意味で、会釈をします」

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この最後の動作を忘れている方が多いのではないでしょうか。次に柄杓を使う方のためにも忘れないように行いましょう。その後、柄杓を元の位置に戻してお清めは終了です。

 

(拝殿でお願いするときの手順)

続いて、拝殿でお願いことをする際の手順を見てみましょう。

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岸野さま:「二礼二拍手一礼というのが参拝の仕方になります。よく聞かれるのが『鈴はいつな鳴らしたらいいんですか?』『それからお賽銭いつあげたらいいんですか?』『お祈りはいつしたらいいんですか?』ということ。実は、二礼二拍一礼の作法だけは決まっているんですけども、お祈りをする時間はその中にはないんですね」

え?そうなんですか?それは意外でした。

岸野さま:「なぜなのかというと、本来は神社全体のお奉りの中での作法でお祈りは祝詞をあげているからです。ですから、ここでは神様に対するその敬義を表すために拝礼をするので、お祈りの時間は含まれないんです。ただ、皆さん方がお参りをするときに、お祈りをしないというのは、やっぱり、ちょっと物足りないですよね」

そうですね。

岸野さま:「拝礼のしかたは、二礼二拍手一礼です、と申し上げています。最初にお賽銭をあげて、鈴のある場合は鈴を鳴らして頂いて。まず来ましたよということで呼び鈴をするようにまずお知らせをするんだという説明される方もいらっしゃいます。
もちろんそれも一つの考え方なんですが、私としては鈴を鳴らしてその音を聞くことで自分の気持ちを清めて頂く…。
先程も手を清めていただきましたが、さらにこちらでも清めて頂く。何度も何度も清めて行って、その清まった状態で神様の前に出られるというのが、神様に対しての作法かなと思います。ですから、鈴を鳴らすこともこお清めなんですよ、と説明させて頂いてます。」

 

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そして、二回こうお辞儀をして頂きます。正式には神様に対する最敬礼ですから、90度になるように。

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その後、二拍手。このときに願いを込めて頂ければいいんじゃないでしょうか。手を合わせるとき、少しこう右手を下げて頂いて、二回打ったらば、また戻します。これは打ちやすくなるというのが一番の理由と、左の方が神様で右の方が自分という説明する方もいらっしゃいます。だいたい第一関節ぐらい下げる。こういう風にすると、それほど力をいれなくても音が結構でますね。

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音というのも、一人一人違うんですよね。面白いことに。音でもっても神様に伝わる。それぞれの気持ちを込めてやっていただければよろしいでしょう。最後に感謝の意味を込めてありがとうございましたという気持ちで、頭を下げていただきます。こういう風なご礼拝を頂ければありがたいですね」

それまで自分が淡々と行っていた拝礼とは違い、岸野さまが拝礼するお姿はとても美しく、ひとつひとつが洗練されていました。なんだか、次にお参りにくるときには私自身も意識が変わりそうです。気持ちからというのは、やはり大切ですね。

岸野さま:「形を、心を込めてってよく言いますけれど、形から入っていって、そこに心がこもっていることもあるので形もまた大切にしていただければと思います。もちろん心も大事ですね。やっぱり心というのは、外見にも形にも現れてくるものですので」

そうですね。取材させていただいているだけで、心が清らかになった気がします。取材前に比べていろんなことを知ってから目にすると、違う景色に見えてきます。今回のインタビューでお伺いしたことを伝えていきたいと感じました。今回はいろいろとありがとうございました。

岸野さま:「神社知って頂くというのは私どもも一つの使命だという風に思いますので、この機会を使わせていただければと思います」

 

 

 

いかがでしたか?だいたい分かっていたけれど、ちょっとだけ思っていたのと違った…という方もいるのではないでしょうか。神社はお願いごとだけではなく、神様に感謝する場所でもあります。七五三をお祝いするお子さんにも是非、正しい参拝方法を教えてあげてくださいね。